訪問看護を実施している方の中には毎回一緒に散歩に行っている方もいらっしゃいます。しかし歩いて行ける範囲は限られてしまいます。

今回は40代男性（統合失調症）の事例を紹介させていただきます。

毎週訪問に伺っていますが、デイケアなどの利用はなく家にいることが多いので体力作りを兼ねて近所の公園まで散歩をしていました。散歩は気分転換になっていましたが、デイケアなどの社会資源の利用には体力的に不安があり、普段は近くの店にタバコを買いに行く程度でした。

人との交流には関心がありながらも体力的な不安を抱えておられたので、まずは無理なく行動範囲をいつもより広げてみようと話し合いました。そこである訪問日に自転車で一緒に出掛けてみることにしました。普段は自転車でも1km圏内の行動範囲でしたが、一緒に出掛けることでその倍以上離れた駅周辺まで行くことが出来ました。地元なので道もよくご存じでしたが、実は近くに地域活動支援センターがあるということはご存知ありませんでした。こんなに近くに利用可能な施設があることに驚かれるとともに、自分で通える範囲内で人と交流が出来るのではないかと関心を持っていただくことも出来ました。

これから暑さが厳しくなりますが、ご自分でもいろいろ興味をもって外出して体力もつけていただき、次のステップへと繋げていきたいと思っています。