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精神科訪問看護の視点で行うレクリエーション

精神科におけるレクリエーション療法とは、利用者様に健康的な刺激を与え、気分転換を図り、病的な体験のとらわれから解放し、生活を活性化することだと言われています。精神障害を抱えている方々は、他者との関りが苦手であったり、病的な自分の世界に閉じこもりがちな方が多くおられます。

私たちの訪問看護では、体調の確認、不安や困り事への相談支援のほかに、トランプ、ウノなどのカードゲーム、パズルゲーム、創作などレクリエーションを提供し、脳を刺激して「楽しむ」という時間を共有することもあります。レクリエーションは対象の方の意向をお伺いしながら、興味関心のあることや得意とすることを会話の中から引き出し、選んでいます。

今回はそのレクリエーションの一部をご紹介します。

 

Aさんは施設でヘルパーの支援を受けながら生活されています。特に興味関心のあることは無いと話されますが、訪問看護にお伺いし体調確認を行った後は、Aさんが得意とするトランプを行っています。普段口数が少なく表情が硬いAさんですが、トランプを始めると表情が和らぎ、自らカードを配るなど自発性も見られています。スタッフが知らないゲームのルールを教えてくれることもあり、一緒にカードゲームを楽しんでいます。

訪問看護スタッフが来ることをAさんは「楽しい人たちが来る」と思っているそうです。

 

Bさんは施設でヘルパーの支援を受け、デイサービスに通所しながら生活されています。可愛らしいものが好きで、居室はたくさんの雑貨や小物を飾っています。Bさんとは、季節の飾りを一緒に作成しました。作成中は集中し黙々と作品を作り上げています。作品が完成すると「可愛いね」と言って室内に飾ってくださっています。

 

 

 

普段から他者との関りが少ない利用者様の中には、訪問スタッフが他者と関わる唯一の機会であることが多くあります。また、コロナウィルス感染予防のため、外出の機会や友人との談笑の機会が減り、生活が単調で活気を失った状態になりつつあるようにも感じています。そのような方に訪問看護の時間が、体調や不安・困り事の相談だけでなく、病的体験から解放され、人と人とのコミュニケーションや心の触れ合い、一体感を感じ「楽しむ」というひと時になれば、と思っています。

 

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