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リカバリー

精神科治療の中で、“リカバリー”という言葉があります。リカバリーとは、“回復”という意味ですが、疾病からの完全回復だけではなく、症状や障害があっても、希望を持ち自分自身が求める生き方を主体的に追求することであり、症状と上手く付き合いながら希望を持ち、満足できる人生を考え生活して行くことを意味しています。

利用者様、ご家族共にいろいろ悩み生活されています。今回は、単身生活のOさん(60代男性、統合失調症)が生活の中で頑張られている取り組みについてご紹介いたします。

Oさんは、妄想によるこだわりからお風呂に入りたくない、近所のスーパー以外の外出はしないという生活のしづらさがありました。健康管理には興味がなく、一日2箱の喫煙をするヘビースモーカーで、食事にもかなり偏りがあり、生活改善は難しい状況でした。体調が悪くても精神科以外の他科受診にはなかなか行かず、肺炎と十二指腸潰瘍で2ヶ月入院することになりました。入院をきっかけに禁煙をされ、食事も配食サービスを利用しバランスのよい食事が摂れるようになり、体調管理にも気を付け他科受診もされています。退院時には筋力が低下し歩行器がないと歩けない状況で、運動機能訓練を目的にデイサービスに週2回通所が開始となりました。

「ミートボールを買いに行きたい」とのOさんのご希望があり、歩行器で近所に買い物に行けるように、訪問看護でも体操や歩行器練習を行いました。一人でスーパーに歩行器で買い物に行けるようになり、最近では杖歩行の練習をするまでになりました。

 

Oさんの今の楽しみは、月1回の精神科受診の帰りに親しい友人と食事に行って楽しいときを過ごすことと、友人と毎日電話でおしゃべりすることです。再入院しないために、健康管理に気をつけており、デイサービスや訪問看護で体操や歩行練習、禁煙を続けておられます。「せっかくタバコをやめたからもう吸わないよ」「ミートボール買いに行きたいね」と意欲的な言葉も聞かれています。足腰が痛いときは歩行練習が億劫になる事もありますが、ご本人のペースを大切にしながらリハビリへのモチベーションが下がらないようにサポートさせていただいています。

 

自分のしたいことや楽しみをなかなか見つけられずにいる方もいます。無理なく取り組めることを、ご本人・ご家族と一緒に探し、充実した生活に近づけれられるよう支援していくことを私たちは心がけています。時には立ち止まったり、迷ったりする事もあると思いますが、「自分の足で歩む力」を信じて、リカバリーの旅路を歩んでいっていただきたいと願っています。

 

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