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楽しみながら脳を活性化

 

精神科の訪問看護では、利用者様とのコミュニケーションを通して、精神状態の把握に努めると共に、生活環境の変化や睡眠や食欲といった生活リズム、周囲の方との交流や、日頃の活動性などについて伺っています。

今回はご自宅で御家族様と共に生活されているA様(90歳代・女性・うつ病)の訪問看護の御紹介をさせて頂きます。

訪問看護の開始にあたっては、意欲低下があるため活気を取り戻すことを目的とするよう主治医よが指示がありました。

A様はこれまで、週に数回のペースでデイサービスに通所されるなど、活動性は維持されてきましたが、一時的に体調を崩された事をきっかけとして、デイサービスの無い日はご自宅の居間で横になって過ごす時間が増え、徐々に習慣化している状況にありました。また、買い物など御家族様との外出も望まれなくなり、外に出る機会も減っていました。その後もデイサービスには通所されており、訪問の際にも座位を取って、日頃の生活の様子などについて会話することができていますが、以前と比較して臥床時間が増え、活気も低下している様子が見られました。

御家族様も訪問看護に対して「外から人が来てくれるのは、本人にとって良い刺激になるし、訪問の予定日や時間を自分で覚えている事も、習慣として大事ですよね」と話されていました。この為、訪問時にはA様の活動性や活気の低下を予防できる関わり方が必要だと考えました。

A様は最近「色々と忘れてしまったり、出来なくなったりすることが増えて困るの」と話されていましたが、元々、算数や漢字熟語の書き取り問題などが得意とのことでしたので、訪問看護においても、毎回プリントを用意して問題を解いて頂いていました。A様は真面目な性格の方である為、その後も訪問看護の際は黙々と問題を解かれていましたが、時間の経過と共に発言や表情の変化が少なくなっていくように感じられ、“作業”として行われているような印象を受けました。

この為、A様御自身が自然に興味を持って頂けるような題材とする事が大切だと思い、プリントの内容を以下のような 間違い探し に切り替えてみました。

それ以降、A様からは「中々難しくて、全部は解らなかった」「最後の1つが解らなかった」といった発言が自然に出るようになり、表情も悔しそうにされつつ、笑顔を見せられる機会が増えていきました。これまでの算数や漢字のプリントのように、純粋に問題を解くという形とは異なり、間違い探しのプリントからは、クイズを当てようとするような、遊びの感覚が得られたのではないかと思います。

御家族様からも「いつもプリントの事は、ちゃんと覚えていて、いつの間にか自分で丸を付けてやってました」「難しそうにしている時は、私も一緒にプリントを見て、ヒントを出したりもしてるんですよ」と様子を伺うことができ、A様自身も正解を見つけようと興味を持って自分から行っているようだとの事でした。

また、「何もすることがないと直ぐ横になってしまうので、間違い探しを一緒にやったり、答えは全部見つかった?とか、声を掛けたりする機会にもなるので、今後も色々とプリントを置いて行って下さい」と御家族様から依頼されました。

この為、間違い探しとは別に、他の脳トレーニングの問題も取り入れる事とし、右のような点つなぎ等のプリントも新たに行っています。

また、間違い探しの問題についてもマンネリ化しないよう、これまで行ってきた左右のイラストを比較するものだけではなく、以下の様にイラストの上下を逆さまにした状態で探すものや、風景や建物などの写真タイプのものなども交互に行うようにし、変化を付けるようにしています。

 

 

 

 

 

脳トレーニング の問題を実施していくに当たっては、自ら興味を持って”楽しみ”と感じて頂けるような題材を用意し、ご自宅で過ごされている間の臥床時間を少しでも減らす事によって、活動性の向上に繋げていきたいと思います。

今後も脳の機能の活性化に繋がるような関わりを継続する事により、生活の質の維持向上を目標として、より良い生活環境で過ごして頂けるよう努めていきたいと思います。

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