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強みを生かして

利用者さんの支援方法のひとつに「ストレングスモデル」というものがあります。これは、利用者さんの夢や希望を実現させるために、利用者さんが持つ「ストレングス(強み)」を生かして生活を支援していく考え方です。

ストレングスモデルの特徴は、利用者さんが本来の自分を取り戻す「リカバリー(回復)」に向けて「在りたい自分」を考え、新しい目的を見つけていくことです。利用者さんに自分の思いを語ってもらい、支援する側と共有することが必要となってくるため、双方の間に信頼関係を築くことが重要となってきます。ストレングスには①個人の性質や生活、②才能や技能、③関心や願望、④環境、などがあります。

訪問看護を行っていく中で、利用者さんと信頼関係を築き、「ストレングス」に目を留めて、利用者さんが自分らしく歩んでいけるように支援していきたいと心掛けています。

 

利用者のYさん(47歳、女性)は、気分の落ち込みがあり、身の回りのことが思うように行えない状況で、人と関わるのが苦手な方です。一方、手先が器用で自分でマスクを作ったり、消しゴムハンコを作成したり、懸賞のはがきをマスキングテープで可愛くデコレーションしています。また、ビーズでいくつものマスコットを作っており、訪問員に見せてくれます。これがYさんのストレングスの1つです。

ある時、Yさんが私に「ビーズで指輪でも作ってみたら?教えてあげるから。」といってきました。正直、私は不器用でビーズは苦手なので遠慮したい気持ちもありましたが、Yさんが自ら「教えてあげる」と言ってくださったので、チャレンジしてみようと思いました。

 

訪問時、いつもは少し眠そうで下を向きがちなYさんですが、指輪の作り方を教えてくださる時は積極的に声を掛け、間違ってばかりの私を励まし、優しく教えてくれました。また、指輪を作りながらの会話はいつもよりも話が弾んでいきました。そして、何よりもYさんが生き生きと楽しそうに教えてくれていたのです。素敵な指輪が出来上がった時は達成感があり、一緒に喜びを分かち合いました。

 

“ビーズを一緒に作ること”を通じて、器用であるというストレングスを起点に、元来親切な人柄で話好きであること、「教えてあげたい、人の役に立ちたい」という思いをお持ちである側面を引き出すきっかけとなりました。

今のところYさんは体調がすぐれないこともあって、やりたいことを思うようにできない状況で、これからの希望や目的がまだはっきりとはしていませんが、ストレングスに目を留めて、訪問看護の関わりの中で一緒に考え共に挑戦する中で、意欲を引き出しながら自信を取り戻りし、少しでも自分らしい生活が送れるよう支援していきたいと思います。

 

 

 

 

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